小説 【彼は私を騙そうとしている。】 はじめに。

  • 2019.05.04 Saturday
  • 18:55

 

こんにちは、泪-rui-です。

 

趣味で小説を書いています。

 

 

シリーズ:彼は私を騙そうとしている。

 

 

読み切りのシリーズになります。

 

性表現、暴力表現はありませんが、

 

少しダークな雰囲気がありますので、苦手な方はご注意ください。

 

 

ブログで連載させていただいております。

 

カテゴリー別表示すると、古いものから順に表示されます。

 

 

後ににカクヨム様や、個人サイトにもアップさせていただきます。

 

ブログ掲載しているものは、読みやすいように改行をしております。

 

カクヨム様、個人サイトにアップするものは、形式が異なりますのでご了承ください。

 

 

 

泪-rui-

小説 【彼は私を騙そうとしている。】

  • 2019.05.04 Saturday
  • 18:56
 
【彼は私を騙そうとしている】
 
 
 幽霊は存在するのか。そんなことが話題になったりするけれど、私はいないと思っている。
だって、死んだら「無」でなければ意味がないの。
死んだら、すべて消えてなくなってしまえばいいの。
私が死にたいのは、楽園とか別の世界に行きたいわけではない。
ただ、消えてなくなってしまいたいからなのよ。
極楽浄土なんて必要ない。私という存在を無かったことにしたいの。
私が死んだら、すべての人の記憶から消えてしまいたい。

 そう言ったら、彼は「我儘だなぁ」と笑って頭を撫でてくれた。私は不機嫌になって彼のお腹に拳を突き付けた。そして、彼は言うのだ。
 

「君のことを忘れられるわけがないよ」
 

 私は、その言葉に絶望する。
この世に生まれたことすら間違いであるのだから、私のことなど忘れてしまえばいいのに。
死んだら忘れてくれないと困る。
死んだ瞬間に、私が生きた証も消えてしまうことが理想なのに。

 彼は、いつも私を否定する。
自分勝手だとか、我儘だと言って笑うのだ。
「俺は、ここにいるよ」

 そう言って私を抱きしめる。
 
 
 彼は、私を騙そうとしているのだ。

 私が生きていていいと、幸せになっていいのだと。

 バカな私は、彼の腕の中で目を閉じるのだ。
泪-rui-

小説  【捨てられる覚悟はできている】

  • 2019.05.04 Saturday
  • 19:02

 

シリーズ:彼は私を騙そうとしている

 

【捨てられる覚悟はできている】

 

 

誰かに必要とされたいと思うのは当たり前の感情だと思う。

 

だけど、私は誰にも必要とされないから、努力して役に立つことをアピールしてきた。

 

それでも、結局は私を必要としてくれる人はいなかった。

 

いや、それは少し違うのかもしれない。

 

誰かに必要とされたかったから、色々な知識を身に着けて、多くの能力を身に着けた。

 

だから、仕事に関しては必要としてくれる人はいた。

 

だけど、私自身を傍においてくれて必要としてくれる人は誰一人としていなかった。

 

私個人を心から必要としてくれる人など、いなかったのだ。

 

私を産み落とした人たちでさえ、私を道具として見ていた。

 


「賽の河原」の逸話がある。死にたいと言えば、その話を持ち出されることが多かった。

 

けれど、私は信じていない。

 

「賽の河原」の逸話が生まれた時代には、「間引き」という行為が平然と行われていた。

 

親は自分たちが生活できなければ、邪魔になれば、子どもを平然と殺すのだ。

 

そして、健康な子どもだけを育てる。

 

つまりは親自身の老後を面倒見てくれる子どもがいればいいだけの話なのだ。

 

使える子どもには「賽の河原」の話をして「親より先に死んではいけないのよ」と洗脳し、その裏では必要のない子どもを殺す。

 

都合のいい話だ。

 

けれど、それが人間という生き物なのだ。

 


私は道具でいることが嫌だった。

 

けれど、存在を認められるためには道具でいるしかなかった。

 

だから、そうして生きてきた。

 

意見など聞いてももらえない、ただの飾り。

 

生きていることに価値はないのだ。

 


彼は、そんな私を諭してくれるけれど、その言葉に不信感を抱いてしまう。

 

何度も「私は必要?」と聞いてしまう。

 

その度に「必要だよ」と笑う彼を疑っている。

 

「幸せになるために生きていこうね」と言うのだ。

 

価値のない私に幸せになる権利があるのだろうかという疑問があるから、その言葉を信じることができない。

 

それでも、彼は何度でも同じ言葉を繰り返す。

 


そんな私だから、いつ捨てられても仕方ないと思っていたし覚悟もしていた。

 

彼は私を見捨てようとしない。

 

家事を一手に担っているから、そのための道具として扱っているのかもしれないと思ったこともある。

 

だから掃除や料理に手を抜くことができなかった。

 

体調が悪い時も家事をしようとしたが、無理やり布団に寝かされた。

 

お粥を作って病院にも連れて行ってくれた。

 

翌日、残業でかなり遅くなった彼に対して私は「昨日の看病は最後の晩餐で、役立たずの私は捨てられたのだ」と1人で泣いていた。

 

帰宅した彼は、私の頭を撫でて傍にいて話を聞いてくれた。

 

呆れたように笑っていたけれど、怒ることはなかった。

 


私を決して見捨てようとしない彼が不思議で仕方ない。

 


価値のない私に、何故ここまでしてくれるのだろうか。

 

彼のことを頼りにしているし、傍にいたいと思っている。

 

だけど、彼が私を必要としなくなったときに、捨てられる覚悟はできているのだ。

 


「必要じゃなくなったら、言ってね」と告げると、彼は私の頭を撫でて笑うだけなのだ。

 

 

 

泪-rui-
 

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